企業で情報発信を考えると、ぶつかるテーマ。
自社メディア(オウンドメディア)を作るべきか、それともnoteを軸に運用すべきか。

両方やるのは理想だけれど、現実的にはそこまでリソースがない。
どの順番でやるのが正解なのか分からない。

この「どっち問題」は、多くの企業が抱える悩みです。

しかも厄介なのは、「どちらが正解か?」が一概に言えない点にあります。

だからこそこの記事では、

“理論”ではなく“企業実務”の視点で、
自社メディアとnoteをどう戦略設計すべきか

これを整理していきます。

先に結論をお伝えします。

「どっちが優れているか?」ではなく、
どの順番で組み合わせるかが最も重要です。

自社メディアが正解。
noteが正解。

こういう二択ではありません。

企業の状況・目的・リソースに応じて、
最適な順番と役割分担を設計することが成果を左右します。

順番を間違えると、

  • どちらも中途半端になる
  • 更新が止まる
  • 社内から「効果あるの?」と言われる
  • 発信文化そのものが消える

こうした状態に陥りやすくなります。

まずは冷静に、「なぜ発信するのか」から整理していきましょう。


webマーケティングの目的から逆算して考える

自社メディアかnoteかを決める前に、最初に明確にしたいのが「何のために発信するのか」です。

企業が情報発信を行う目的は、だいたい次のようなものに集約されます。

  • SEOを強化して指名外の流入を増やしたい
  • 営業前の理解を深めたい
  • 長期的な企業ブランドを育てたい
  • 採用候補者に企業のリアルを伝えたい
  • 企業の思想や考え方を言語化したい
  • 広報的な情報の置き場が欲しい

このうち、

  • 検索流入を最大化したい
  • 大量の記事を継続的に投入できる体制がある
  • コンテンツマーケティングを主戦略に据えたい

こうした場合は、自社メディアの優先度が高くなります。

一方で、

  • 企業理解を深めたい
  • 信頼や文脈を積み上げたい
  • 営業や採用にも活用したい
  • それでいてSEOにも一定効かせたい

このような目的が強い場合、noteは非常に相性が良い選択肢になります。


webマーケティングメディアとしての自社メディアとnoteの違い

自社メディアもnoteも、どちらも「企業の情報発信メディア」です。

ただし、役割と強みは明確に異なります。

自社メディアの特徴

  • サイト構造やカテゴリ設計を自由に組める
  • SEOを前提とした内部設計が可能
  • 問い合わせ・資料請求・採用応募などの導線を細かく作れる
  • データ計測や改善がしやすい
  • 長期的な資産になりやすい

自社メディアの注意点

  • 初期構築と運用設計の負担が大きい
  • 更新が止まるとサイト全体の信用が落ちやすい
  • 成果が出るまで時間がかかる
  • 体制が弱いと「記事だけ増えて成果が出ない」状態になりやすい

noteの特徴

  • 初期費用がほぼ不要
  • 記事作成に集中できる
  • 企業の思想や裏側、実践を伝えやすい
  • SNS拡散と相性が良い
  • SEOでも十分に戦えるテーマがある

noteは「ブランディング専用の媒体」と思われがちですが、実際にはSEOでも十分に成果を出している企業が増えています。


自社メディア中心が向いている企業

次のような企業は、自社メディア中心の戦略が向いています。

  • 明確にSEOで勝ちに行きたい
  • 月10本以上のコンテンツ投入が可能
  • 外注または専任体制がある
  • CMSや分析環境を運用できる
  • コンテンツマーケティングを主戦略にする

さらに、次の条件が重なるほど自社メディアの価値は高くなります。

  • 競争が激しい業界
  • 検索が売上に直結する
  • 比較検討期間が長い商材
  • 情報量が多いほど検討が進む

note中心が向いている企業

一方、まずnoteを軸にしたほうが成功しやすい企業は次のタイプです。

  • これから情報発信を本格化したい
  • いきなり大規模メディア構築は難しい
  • 社内リソースが限られている
  • 発信を止めたくない
  • 企業の思想・ストーリーを伝えたい
  • 営業・採用にも活用したい
  • SEOもある程度取りたい

noteは、

  • 企業理解
  • 信頼形成
  • SEO
  • 営業支援
  • 採用広報

を同時に進められる、実務的に非常にコスパの良い媒体です。
(まぁなんと言ってもnote自体のドメインがアカウントに強いことが最強です)


両方同時に始めるのはおすすめしない理由

理論上は、自社メディアとnoteを同時に運用するのが最強です。

しかし現実には、次のような問題が頻発します。

  • 担当者が回らない
  • 更新が止まる
  • 品質が落ちる
  • 効果測定が曖昧になる
  • どちらも中途半端になる

結果として、

「どちらも育たないメディア」

になってしまうケースが非常に多いです。

まずは片方をきちんと育て、その後に広げる。
この順番のほうが、結果的に強いメディアになります。


現実的におすすめの順序:note → 自社メディア

多くの企業にフィットしやすいのが、次の順序です。

Step1:noteを育てる

まずnoteで、企業の中身を発信します。

  • 企業の思想
  • 事業の背景
  • 現場の実践
  • 失敗談
  • 意思決定の理由
  • 大切にしている価値観

この段階で、

  • 営業資料として使える
  • 採用候補者の理解が深まる
  • 社内の共通認識ができる
  • SEO流入が発生し始める

といった効果が出てきます。

これだけでも十分に企業資産です。

Step2:自社メディアを設計する

noteが育つと、次のことが見えてきます。

  • 読まれるテーマ
  • 反応の良い切り口
  • 想定外のニーズ
  • 書きやすい分野
  • 社内で継続できる体制

この状態で自社メディアを作ると、

「作る意味のあるメディア」

を設計できます。


webマーケティング運用でよくある失敗

企業の情報発信でよくある失敗は次の通りです。

  • 目的が曖昧
  • KPIを設定していない
  • 更新頻度が不安定
  • 担当者が固定されていない
  • 効果測定をしていない

これを防ぐためにも、最初に「順序」と「役割」を決めておくことが重要です。


webマーケティング内製化の考え方

すべてを内製化する必要はありません。

現実的には、次の分担がやりやすいです。

  • 企画・テーマ決め:社内
  • 一次原稿:社内または外注
  • 編集・チェック:社内
  • 公開・分析:社内

この形なら、負担を抑えつつ品質を保てます。


運用体制の最低ライン

最低限、次の役割は必要です。

  • 責任者(目的管理)
  • 編集担当(品質管理)
  • 分析担当(効果測定)

1人が兼任しても構いませんが、「誰の仕事か」は必ず明確にしましょう。


成果を出すためのチェックリスト

  • 目的は明確か
  • 誰向けの発信か決まっているか
  • 月何本出すか決まっているか
  • KPIを設定しているか
  • 3か月後の目標があるか

まとめ:どの順番でどう組み合わせるか?

整理します。

  • 自社メディアは「攻めのSEO・大規模戦略」に強い
  • noteは「企業理解・信頼・実務的SEO」に強い
  • 両方同時に始めると失敗しやすい
  • 多くの企業はまずnoteで「核」を作るほうが成功しやすい
  • その上で必要なら自社メディアを設計する

つまり、

「どっちか」ではなく、
どの順番で、どう組み合わせるか

これが戦略設計の本質です。

情報発信は、作業ではなく経営判断に近い取り組みです。

書く前に、戦略を。

それだけで成果は大きく変わります。